意識と電磁場

意識と電磁場

意識と電磁場

【この記事のまとめ】
意識の物理的基盤とは、脳内の電荷の移動と時間的変化によって生成される電磁場です。

セミフィールド理論(cemi field theory)では、私たちの意識(思考)は、物質ではなく、脳の電磁場エネルギーによって構成されると提唱されています。

脳の内因性電磁場が神経発火率に及ぼす作用が、意識的な思考として経験され、それが私たちの行動に影響を与えています。

意識における支配的な情報は、その単一のフィールド内で神経発火を調整できる最も強い電磁場摂動に関連付けられた情報となります。

 

意識とは私たちが自分自身や周囲の世界を認識して、感じたり思考したりする能力のことです。

いったい意識とは何か? 意識とは何からできているのでしょうか?

 

Integrating information in the brain’s EM field: the cemi field theory of consciousness

Neurosci Conscious. 2020 Sep 22;2020(1):niaa016. doi: 10.1093/nc/niaa016

意識の物理的基質

意識と電磁場

 

脳内の電界は、ガウスの法則に従って電荷によって生成されます。

脳内の電荷が時間とともに変化すると、発生する電場も変化します。

電荷と電流には、神経活動電位だけでなく、樹状突起電流、軸索電流、そして神経細胞やグリア細胞の活動から生じるその他無数の電気的作用があります。

磁場の発生源は電流であり、これもまた電場の時間的変化によって生成されます。

電場と磁場の時間的変化は、電磁波を生成します。

電磁場は、発生源つまり電荷とその動き(電流)を反映しています。

言い換えれば、場の発生源が場の情報構造を作り出していると言えます。

 

意識の物理的基盤とは、脳内の電荷の移動と時間的変化によって生成される電磁場です。

神経活動は電荷の移動(通常は細胞膜を横切るイオンの移動)や電場の変化(電場を介したニューロンの結合であるエファプティック伝導など)で構成されるため、何らかの形でその活動に関係しています。

 

エファプティック・カップリングについては、関連記事をご参照ください ↓

細胞外電場とエファプティック・カップリング

 

同期して発火するニューロンは互いの効果を強めるのに対し、ランダムに非同期で発火するニューロンは互いの効果と下流のニューロン群への影響を打ち消すという特性があります。

同期発火の 1 つの結果は、関与するニューロンの樹状突起における電流の同期振動と、周囲の体液および神経膜を横切る電流の同期振動です。

 

スパイク発火とシナプス可塑性については、関連記事をご参照ください ↓

「シナプス可塑性」学習・記憶のメカニズム

 

スパイク電位も電磁場を生成しますが、神経発火だけに重点を置きすぎないことが重要です。

スパイク電位の軸索伝導は、神経伝達メカニズムですが、意識に関連する神経活動の最も重要な側面ではない可能性があります。

樹状突起を流れる電流は、神経発火よりも意識や認知に関連している可能性もあります。

 

生体電磁場については、関連記事をご参照ください ↓

生命のシグナル伝達「生体電磁場」

意識のセミ・フィールド理論(cemi field theory)

意識と電磁場

 

脳神経は、標準的なシナプス伝達に加えて、内因性電磁場を介しても通信しているという証拠がたくさんあります。

 

細胞外電場とエファプティック・カップリングについては、関連記事をご参照ください ↓

細胞外電場とエファプティック・カップリング

 

セミフィールド理論(cemi field theory)では、私たちの意識(思考)は、物質ではなく、脳の電磁場エネルギーによって構成されると提唱されています。

脳の内因性電磁場が神経発火率に及ぼす作用が、意識的な思考として経験され、それが私たちの行動に影響を与えています。

 

電磁場は常に統一されているため、脳内には電磁場が 1 つしかありません。

意識における支配的な情報は、その単一のフィールド内で神経発火を調整できる最も強い電磁場摂動に関連付けられた情報となります。

 

意識的な学習(認識や注意)が、長期記憶の形成や複雑な課題の学習の前提条件であることはよく知られています。

セミ・フィールド理論では、記憶と学習における意識の役割が理論の自然な帰結として浮かび上がります。

例えば、ピアノを弾くなどの新しい運動技能を学習する場合、脳の内因性電磁場によって提供される神経発火に近づけたり遠ざけたりする小さな意識的な押し引きは、正しい音を正しいタイミングで鳴らすために必要な微細運動制御を行うために不可欠である可能性があります。

しかし、電磁場増強の対象となるニューロンがヘブ型シナプスで接続されている場合、脳の電磁場の影響は神経接続性を高める(長期増強)か、低下させる(長期抑制)傾向があり、スキルを実現するネットワークは固定化されます。

 

シナプス可塑性の長期増強(LTP)と長期抑圧(LDT)については、関連記事をご参照ください ↓

「シナプス可塑性」学習・記憶のメカニズム

 

脳の電磁場による反復的な増強により、意識的な運動動作は電磁場の影響からますます独立していきます。

運動活動は学習され、それ以降は(意識的な)電磁場入力なしでも実行できるようになります。

実際、ネットワークは最適な構成に固定化されるため、意識的な電磁場入力は、学習したスキルに乱れを生じさせる傾向があります。

電磁場がニューロンの発火に影響を与えるという認識と、「同時に発火するニューロンは互いにつながる」という法則さえあれば、記憶における意識の役割は必然的なものとなります。

 

学習や記憶については、関連記事をご参照ください ↓

「記憶と自己」海馬とトラウマとアルツハイマー

アストログリア コネキシン「認知と記憶」

まとめ

意識と電磁場

 

意識の物理的基盤とは、脳内の電荷の移動と時間的変化によって生成される電磁場です。

セミフィールド理論(cemi field theory)では、私たちの意識(思考)は、物質ではなく、脳の電磁場エネルギーによって構成されると提唱されています。

脳の内因性電磁場が神経発火率に及ぼす作用が、意識的な思考として経験され、それが私たちの行動に影響を与えています。

意識における支配的な情報は、その単一のフィールド内で神経発火を調整できる最も強い電磁場摂動に関連付けられた情報となります。

 

意識と電磁場