生命(いのち)とエントロピー
熱力学の第二法則(エントロピー増大の法則)という法則があります。
物理現象は必ずエントロピー(乱雑さ)が増大する方向に進み、
やがて環境との区別がつかなくなってしまいます。
私たちの生命(いのち)は決してまわりの環境から切り離すことはできません。
孤立して存在することはできず、まわりの環境と一体であり、
その中で自己の生命(いのち)としての秩序を保ち続けています。
私たちが生きるということは、
このエントロピーの増大に逆らい続けることではないだろうか?
常にまわりの環境とエネルギーのやりとりを行いながら、
エントロピーを一定の状態に保つシステム、それが生命(いのち)です。
昼間は起きて活動し、
身体の秩序が乱雑になります(エントロピーが増大)。
夜間は熱を体外に放出して体温を下げ、
寝ている間に身体組織の修復を行い、エントロピーを下げています。
活動と休息のサイクルは、
自律神経と呼ばれる交感神経と副交感神経の働きによって調節されています。
しかし私たちの多くは、常に筋肉の過剰な緊張やこわばりを抱え、
交感神経を過緊張させてしまって、
エントロピーの排出(デトックス)不足ではないだろうか?
病気の症状とは、
部分的に高くなったエントロピーを排出する反応です。
捨てきれなくて体内に蓄積してしまったエントロピーを
排出(デトックス)しているのが炎症反応です。
また感染症というのは、細菌が感染することから起こるのではなく、
宿主(人間)が捨てきれなかったエントロピーを排出(デトックス)するために、
共生関係にある細菌の増殖が起こった結果ではないだろうか?
私たちは物質的にもエネルギー的にも、
外部環境とのつながりが不可欠であります。
環境から何を体内に取り入れるかよりも、
如何にエントロピーをうまく排出するかが重要となります。