「スパイクタンパク質」コロナ後遺症とワクチン後遺症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2 )の感染によって、気道以外の臓器に関わる複雑な症状が広範囲に報告されています。
SARS-CoV-2が検出されなくなった後も、コロナ後遺症として様々な症状が数ヵ月以上続くことが報告されています。
その原因として、SARS-CoV-2スパイクタンパク質に病原性があることがわかってきました。
また、mRNAワクチンで出来るスパイクタンパク質が、全身に広がり体の中に残る可能性があります。
ワクチンの副反応(後遺症)として、さまざまな臓器に複雑な症状を引き起こす可能性が示唆されています。
コロナ後遺症とスパイクタンパク質
コロナウイルスは、ホモ三量体表面スパイクタンパク質を使用してヒト細胞に付着します。
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2019 年以降、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)よって、気道以外の臓器に関わる複雑な症状が広範囲に報告されています。
ブレインフォグなどのさまざまな神経症状が報告されており、中枢神経系に対する急性および潜在的な慢性的な影響があります。
ブレインフォグ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症の1つに「ブレインフォグ」という症状があります。
脳の中に霧がかかったようになるから「ブレインフォグ」と呼ばれていますが、明確な基準はありません。
記憶障害、見当識障害、思考力低下、集中力低下、慢性頭痛、抑うつ症状など、新型コロナ後遺症患者の多くが苦しめられています。
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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が検出されなくなった後も、体調不良が数ヵ月以上続きます。
ドイツの研究者たちによって、スパイクタンパク質の脳内の分布に関して、研究論文(プレプリント)が発表されました。
SARS-CoV-2 Spike Protein Accumulation in the Skull-Meninges-Brain Axis: Potential Implications for Long-Term Neurological Complications in post-COVID-19
doi: https://doi.org/10.1101/2023.04.04.535604
この研究では、マウスモデルとヒトの死後組織を利用して、頭蓋骨髄、脳髄膜、脳実質におけるSARS-CoV-2スパイクタンパク質の蓄積を明らかにしました。
新型コロナウイルスに感染後、かなり後になってから死亡した者の頭蓋骨に、スパイクタンパク質が存在することが観察されました。
このスパイクタンパク質の脳への蓄積が、ブレインフォグなど長期的な神経症状の一因となっている可能性が示唆されます。
mRNA COVID-19ワクチン後遺症(副反応)とスパイクタンパク質
Persistent varicella zoster virus infection following mRNA COVID-19 vaccination was associated with the presence of encoded spike protein in the lesion
https://doi.org/10.1002/cia2.12278
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン接種が開始されて以来、ワクチン接種後のさまざまな皮膚への悪影響が世界中で報告されています。
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化は、mRNA COVID-19 ワクチン、特に ファイザー社COVID-19ワクチン(BNT162b2)の投与後の男性で、最も頻繁に起こる皮膚反応として報告されています。
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高知大学医学部の皮膚科学講座の研究チームは、BNT162b2 ワクチン接種後に 3 か月以上の長期間にわたる皮膚病変が持続した患者について、VZV ウイルスとワクチン由来のスパイクタンパク質の関与について調査しました。
ワクチンにコードされている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ウイルスのスパイクタンパク質は、真皮の小胞角化細胞と内皮細胞で発現していました。
ワクチンの副反応として、mRNAがコードするスパイクタンパク質の皮膚病態への関与が示唆されます。
また、高知大学医学部の皮膚科学講座の研究チームは、また別の論文も発表しています。
A case of persistent, confluent maculopapular erythema following a COVID-19 mRNA vaccination is possibly associated with the intralesional spike protein expressed by vascular endothelial cells and eccrine glands in the deep dermis
https://doi.org/10.1111/1346-8138.16816
mRNAワクチン(BNT162b2)の2回目の投与後に、斑状丘疹性紅斑を発症した日本人女性の真皮深部の血管内皮細胞とエクリン腺にスパイクタンパク質が検出されました。
mRNAワクチン由来のスパイクタンパク質が、皮膚病変と関与していることが示唆されました。
まとめ
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2 )スパイクタンパク質に病原性があり、コロナ後遺症やmRNAワクチン後遺症(副反応)に関与している可能性があります。
新型コロナウイルスに感染後、かなり後になってから死亡した者の頭蓋骨に、スパイクタンパク質が存在することが観察されました。
このスパイクタンパク質の脳への蓄積が、ブレインフォグなど長期的な神経症状の一因となっている可能性が示唆されます。
ファイザー社COVID-19ワクチン(BNT162b2)接種後に起こる副反応として、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化が多く報告されています。
ワクチンにコードされている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)スパイクタンパク質が、皮膚の細胞に発現していることが確認され、皮膚病態への関与が示唆されます。
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