1日3食は食べ過ぎ「食の本質とは」
私たちの多くは、「1日3食しっかり食べて栄養をつけることが体に良い」と教育されてきたのではないでしょうか。
しかし現代は、食べ過ぎて生活習慣病など様々な疾患になっている人で溢れています。
多くの方は自分では食べ過ぎていると自覚していないのかもしれません。
1日3食は食べ過ぎ
生きるために食べることは当たり前であり、だいたい決まった時間に1日3回食事を摂っている人が多いのではないでしょうか。
1日3食を意識していると、時間がきたら食べることになり、お腹が空いていなくても食べることになります。
多くの方が知らないうちに食べ過ぎてしまっているのです。
私たちの多くは、毎日朝昼晩3食しっかり食べることが、健康の基本のように教育されてきました。
朝食を抜くと脳が働かないと言われてきました。
しかし、食事の回数に大きな意味はないのではないかと思います。
お腹が空いたら食べるというのが私たちの体にとっては一番自然です。
体格や生活のスタイル、活動量など個人差が大きく、自分に合った食事の回数で最適な量を摂取するというのが本来は正しいのだと思います。
食べれば食べた分だけ、体の栄養になってエネルギーを生み出すと考えるのは大きな間違いです。
たくさん食べてたっぷり栄養素を摂取したとしても、体内にはある程度しか備蓄できません。
逆に過剰な栄養素によって糖毒性・脂肪毒性を引き起こして、様々な生活習慣病など慢性疾患の原因となっています。
食べたものが体の中で上手く代謝できなければ、逆に不要な物質をとなって処理しなければなりません。
現代人の多くは、体内にたくさんの不要な物質が溜って、慢性炎症を引き起こしている状態です。
慢性炎症については、関連記事をご参照ください ↓
血管の慢性炎症が動脈硬化を引き起こしています。詳しくは関連記事をご参照ください ↓
代謝の正常化が大切
体内環境で代謝という物質循環が起きるのが、私たちの生命場です。
食の本質は、エネルギー代謝を機能させることにあります。
たくさん食べればエネルギーをたくさん生み出し、健康になれるというのは幻想です。
代謝反応が正常に進まない状態で、食物をたくさん食べてもエネルギーをうまく生み出せないのです。
逆に体内が不要な物質で溢れかえってしまいます。
代謝反応については、関連記事をご参照ください ↓
食べるもののカロリー計算ばかり気にしても意味がないのです。
個々の代謝機能によって、食べても栄養からエネルギーを生み出す能力が違うのです。
ミトコンドリアの機能低下により酸化的リン酸化(OXPHOS)が正常に機能していない状態では、カロリー計算による食事法では対処できないのです。
食べたものを、効率よくエネルギーに変換できなくなっている人がたくさんいます。
ミトコンドリアのエネルギー産生については、関連記事をご参照ください ↓
生きるために必要なグルコースも、体内に過剰に存在すると私たちにとって毒性を示します。
過剰なグルコースによる糖毒性については、関連記事をご参照ください ↓
過剰な酸素も「酸化ストレス」となって、私たちを傷つけ様々な疾患を生み出す原因となっています。
酸化ストレスについては、関連記事をご参照ください ↓
ミトコンドリアの酸化的リン酸化(OXPHOS)の障害による「還元ストレス」が、活性酸素種(ROS)生成による「酸化ストレス」を引き起こします。詳しくは関連記事をご参照ください ↓
現代社会は食べてはいけないような食品で溢れかえっています。
余計なものをなるべく食べず、不要なものを排出するデトックスがより重要となります。
デトックスについては関連記事をご参照ください ↓
「糖質・脂質」の「量と質」の問題
近年は糖質制限、糖質オフなどの言葉を耳にすることが多くなり、糖質が体に悪いというイメージを持つ方は増えたのではないでしょうか。
グルコースは比較的反応性が高い化合物であり、高濃度になると酵素の作用がなくても、体内のタンパク質や脂質と反応してしまう性質があります。
つまり体内にたくさんあると、糖毒性を示す物質なのです。
そのためインスリンの働きによって、脂肪組織にグルコースを取り込んで脂肪酸に変換し、中性脂肪の形にして貯蔵しています。
どんどん中性脂肪が貯まって、主に中性脂肪を貯蔵する脂肪組織が肥大化していきます。それが肥満です。
脂肪組織の肥大化が限界に達してくると、脂肪組織ではないところに中性脂肪が貯まっていきます。これが内臓脂肪など異所性脂肪です。
中性脂肪を貯蔵するシステムが限界を超えると、脂肪毒性を示すようになって、慢性炎症やインスリン抵抗性の原因となります。
中性脂肪の貯蔵システムの崩壊が、インスリン抵抗性を引き起こし、血糖コントロールシステムの機能障害による高血糖をつくりだし、糖毒性を示すようになります。
インスリン抵抗性については、関連記事をご参照ください ↓
糖質の摂取を考える場合には、「糖質の量」だけでなく「糖質の質」、それと同時に「脂質の量と質」を考えることが重要となります。
インスリン抵抗性など、血中の遊離脂肪酸が上昇して、脂肪酸を代謝する経路が活性化されると、グルコースの代謝経路での酵素の働きが阻害され、糖耐性が低下して高血糖になりやすくなります。
糖質の質については、関連記事をご参照ください ↓
私たちが脂質を食物から大量に摂取した場合、私たちの体内には存在しない脂肪酸や高度不飽和脂肪酸なども含まれています。
私たちの体内で利用可能な脂肪酸は、生体膜や脂肪滴に取り込み、不要な脂肪酸は代謝解毒するしかありません。
現代人の食生活は、調理方法を含めて過剰な油脂を摂取する傾向にあり、その質にも注意が必要です。
貯蔵脂肪として適する脂肪酸と適さない脂肪酸があり、脂肪酸の種類(質)は糖質とのバランスを含めて、エネルギー代謝に大きな影響を与えています。
脂肪酸の質については、関連記事をご参照ください ↓
私たちの細胞は、グルコースも脂肪酸もどちらも呼吸基質(エネルギー源)としてエネルギー代謝を行うことができます。
グルコースのエネルギー代謝の経路が流れている時には、脂肪酸のエネルギー代謝の経路が抑制され、脂肪酸のエネルギー代謝の経路が流れている時には、グルコースのエネルギー代謝の経路が抑制されています。
代謝酵素の働きが調整され、同時にグルコースと脂肪酸のエネルギー代謝を進めることができず、適宜切り替えを行っているのです。これはランドルサイクルと呼ばれています。
ランドルサイクルについては、関連記事をご参照ください ↓
グルコースをエネルギー代謝する経路と、脂肪酸をエネルギー代謝する経路では、生成するFADH2 / NADH比が異なります。
それがミトコンドリアでの電子伝達系の複合タンパク質での、活性酸素種(ROS)の生成に影響を与えます。
脂肪酸のエネルギー代謝は、グルコースのエネルギー代謝と比較して、FADH2 / NADH比が高くなり、ミトコンドリアでの活性酸素種(ROS)の発生を増加させてしまいます。
活性酸素種(ROS)については、関連記事をご参照ください ↓
まとめ
1日3回決まった時間で食べるという習慣は、食べ過ぎの原因となっている場合が多いです。
食べれば食べた分だけ、体の栄養になってエネルギーを生み出すと考えるのは大きな間違いです。
逆に過剰な栄養素によって糖毒性・脂肪毒性を引き起こして、様々な生活習慣病を引き起こしています。
個々の代謝機能によって、食べた栄養素からエネルギーを生み出す能力が違ってきます。
食べたものを、効率よくエネルギーに変換できなくなっている人がたくさんいます。
ミトコンドリアの機能低下により酸化的リン酸化(OXPHOS)が正常に機能していない状態では、カロリー計算ばかりしていても意味がないのです。
食べたものが体の中で上手く代謝できなければ、逆に不要な物質をとなって処理しなければなりません。
現代人の多くは、体内にたくさんの不要な物質が溜って、慢性炎症を引き起こしている状態です。
健康のための食の本質は、エネルギー代謝を正常化して物資循環をスムーズにすることです。
糖質の量だけでなく質、それと同時に脂質の量と質を考えることが重要となります。
余計なものをなるべく食べず、不要なものを排出するデトックスがより重要となります。