「トラウマ解放」脳の自己イメージを書き換える

「トラウマ解放」脳の自己イメージを書き換える

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【この記事のまとめ】
恒常性を維持し続けることを可能にするためのシステムを、私たちは持っています。

外部からの危険が迫ってる知覚や恒常性からのズレを知らせる合図として、情動が起こりホルモンを分泌して闘争・逃走反応に備えようと反応します。

強く生命の危機を感じて、交感神経反応(闘争・逃走 反応)で対応できない場合には、防御反応を示してシャットダウン(凍りつき反応)を起こします。

凍りつき反応(シャットダウン)によって、本来の情動・感情の処理が終了しない状態になってしまった結果、まだ危険が終わっていないという情動記憶が強く残ってしまう場合があり、それが心的外傷(トラウマ)となります。

トラウマ体験となった際の情動や音・イメージなど身体的感覚が断片的な記憶として残ってしまいます。

断片的なイメージとしての記憶によって、それが今が起こっているのか、過去の出来事なのかを判断できずに、情動反応が起こり続けてしまうのです。

私たちの脳は記憶というシステムから生まれた自己意識と共に、体性感覚(皮膚感覚や固有受容感覚など)と外部環境に関連する視覚や聴覚情報などを統合しマッピングして、イメージとして把握しています。

トラウマとなってしまった感情・情動記憶の身体イメージに、タッピングやタッチなどによって皮膚の感覚受容器や固有受容器に入力して、脳の多感覚統合イメージを再マッピングすることで、心理的問題となっている感情や症状を解放することができます。

 

 

生命の流れ

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生命と物質の違いはどこにあるのでしょうか?

たくさんの物質が集まっても、通常、常温では反応が起こらない場合が多いです。

しかし、私たちの体内では酵素というタンパク質の働きによって、取り入れられた物質が代謝という化学反応を起こります。

 

代謝については、関連記事をご参照ください ↓

「代謝と生命活動」異化と同化とエネルギー

 

常に外部から物質を取り入れ、不要になった物質を排出して、物質循環がされています。

私たちの体は、異化と同化を繰り返してリモデリング(新陳代謝)され続けています。

 

生命とは流れの中にある渦のようなものです。

物質が集まって、生命という名の場(フィールド)を形成しています。

生命場の中では、代謝という名の化学反応が起こって、エネルギーを生み出し、恒常性が維持されるようになっています。

このような生命場を維持するための情報は、私たちの身体のまわりに存在すると考えられています。

生命場を維持できなくなると、私たちは死という全体の流れの中に還ることになります。

 

情動と感情とトラウマ形成

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恒常性を維持し続けることを可能にするためのシステムを、私たちは持っています。

外部からの危険が迫ってる知覚、恒常性からのズレを知らせる合図として、情動が起こります。

交感神経反応(闘争・逃走反応)というのは、恒常性維持のための情動によって引き起こされています。

私たちの体はストレス(身の危険)を感じた場合、ホルモンを分泌して闘争・逃走反応に備えようと反応するわけです。

 

ストレスとホルモン分泌については、関連記事をご参照ください ↓

「ストレスとホルモン」副腎疲労症候群とは?

自律神経(交感神経・副交感神経)については、関連記事をご参照ください ↓

「自律神経失調症」脳のアイドリングによる脳疲労

 

恒常性維持という生存の本質から情動が引き起こされ、大脳辺縁系の扁桃体・海馬によって、「快」か「不快」かという感情が生まれます。

感情が生まれることで、私たちは情動に気付くができるようになります。

 

海馬や扁桃体の働きについては、関連記事をご参照ください ↓

「記憶と自己」海馬とトラウマとアルツハイマー

 

強く生命の危機を感じて、交感神経反応(闘争・逃走 反応)で対応できない場合には、防御反応を示してシャットダウン(凍りつき反応)を起こします。

 

ポリヴェーガル理論、凍りつき反応(シャットダウン)については、関連記事をご参照ください ↓

「人とのつながり」「社会とのつながり」自律神経を安心させる

 

通常は、私たちは脅威に直面すると、情動がストレスホルモンの分泌を増加して闘争・逃走反応を引き起こします。

脅威が去ると、ホルモンレベルは低下して、体は元の状態に戻ります。

ところが凍りつき反応(シャットダウン)によって、本来の情動・感情の処理が終了しない状態になってしまった結果、まだ危険が終わっていないという情動記憶が強く残ってしまう場合があります。

それが心的外傷(トラウマ)となります。

トラウマ体験となった際の情動や音、イメージなど身体的感覚が断片的な記憶として残ってしまいます。

一連の過ぎ去った過去の体験として記憶されていないのです。

断片的なイメージとしての記憶によって、それが今が起こっているのか、過去の出来事なのかを判断できずに、情動反応が起こり続けてしまうのです。

 

感情解放セラピー

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トラウマなど心理的問題の感情や症状を解放する技法に、TFTやEFTなどタッピングセラピーがあります。

 

TFT(Thought Field Therapy)思考場療法

米国の心理学者ロジャー・キャラハンによって開発されたテクニックで、身体の表面上にある、経絡のツボを特定の順番にタッピングします。それによって、心理的問題の感情や症状を軽減・消失させます。

 

EFT(Emotional Freedom Technique)感情解放テクニック

THFを学んだギャリー・クレイグが、誰でもが使えるように簡略化し、たいていの症状に適応可能な技法としてまとめたものです。

顔や胸周辺のツボを、指で軽くタッピングするシンプルな手法で、心理的問題の感情や症状を軽減・消失させます。

 

ではいったいどうして、タッピングセラピーによって、心理的問題となっている感情や症状を改善することができるのでしょうか。

私たちの脳は記憶というシステムから生まれた自己意識と共に、体性感覚(皮膚感覚や固有受容感覚など)と外部環境に関連する視覚や聴覚情報などを統合しマッピングして、イメージとして把握しています。

その多感覚を統合した知覚情報は、ペリパーソナルスペースと呼ばれる身体周辺空間に存在します。

 

ペリパーソナルスペースについては、関連記事をご参照ください ↓

身体と空間の自己イメージ「ぺリパーソナルスペース」

自己と環境の相互作用「ペリパーソナルスペースの動的変化」

触覚と皮膚の感覚受容器については、関連記事をご参照ください ↓

「優しいタッチの神経伝達」触覚とメカノセンサー

固有受容感覚については、関連記事をご参照ください ↓

固有受容感覚とPIEZO

 

トラウマとなってしまった感情・情動記憶の身体イメージに、経絡にあるツボをトントントンと軽くたたく(タッピングする)ことで、皮膚の感覚受容器や固有受容器に入力して、脳の多感覚統合イメージを再マッピングすることができます。

オステオパシーなどでは、情動記憶につながるファシア(筋膜)の緊張をリリースすることで、情動記憶・ネガティブな感情を開放することができると考えられています。

タッチや振動などによって、皮膚の感覚受容器や固有受容器に入力を行い、脳の身体イメージを再マッピングさせています。

 

ファシア(筋膜)については、関連記事をご参照ください ↓

ファシア(筋膜)のつながり

ファシア(筋膜)リリースについては、関連記事をご参照ください ↓

「筋膜リリース」コラーゲン線維の可塑性

筋膜性疼痛症候群とファシアリリース

まとめ

「トラウマ解放」脳の自己イメージを書き換える

 

恒常性を維持し続けることを可能にするためのシステムを、私たちは持っています。

外部からの危険が迫ってる知覚や恒常性からのズレを知らせる合図として、情動が起こりホルモンを分泌して闘争・逃走反応に備えようと反応します。

強く生命の危機を感じて、交感神経反応(闘争・逃走 反応)で対応できない場合には、防御反応を示してシャットダウン(凍りつき反応)を起こします。

凍りつき反応(シャットダウン)によって、本来の情動・感情の処理が終了しない状態になってしまった結果、まだ危険が終わっていないという情動記憶が強く残ってしまう場合があり、それが心的外傷(トラウマ)となります。

トラウマ体験となった際の情動や音、イメージなど身体的感覚が断片的な記憶として残ってしまいます。

断片的なイメージとしての記憶によって、それが今が起こっているのか、過去の出来事なのかを判断できずに、情動反応が起こり続けてしまうのです。

私たちの脳は記憶というシステムから生まれた自己意識と共に、体性感覚(皮膚感覚や固有受容感覚など)と外部環境に関連する視覚や聴覚情報などを統合しマッピングして、イメージとして把握しています。

トラウマとなってしまった感情・情動記憶の身体イメージに、タッピングやタッチなどによって皮膚の感覚受容器や固有受容器に入力して、脳の多感覚統合イメージを再マッピングすることで、心理的問題となっている感情や症状を解放することができます。

 

「トラウマ解放」脳の自己イメージを書き換える