「気圧と気象病」メカノセンサーと自律神経反応

「気圧と気象病」メカノセンサーと自律神経反応

「気圧と気象病」メカノセンサーと自律神経反応

【この記事のまとめ】
低気圧では上昇気流が起きて、私たちのまわりの空気の量が少なくなり、外部から体にかかる圧力が低下します。

この力学的な変化は、ファシアのバイオテンセグリティによって伝達されます。

私たちの体には、力学的(機械的)情報を感知して、生化学的情報に変換するためのセンサーの役割を果たしているものがあります。メカノセンサーと呼ばれています。

内耳(ないじ)は、いち早く気圧の変化を感じ取って、体内の調整をしようと働く気圧センサー(メカノセンサー)と考えられています。

気圧変化は内耳前庭部で受容された後、自律神経反応を引き起こすことがわかっています。

バイオテンセグリティによるファシアの力学的な伝達から、メカノトランスダクションにより各組織の細胞や自律神経が調整されて、環境の変化にうまく適応しています。

ファシアの伝達がスムーズに行われなかったり、過剰な自律神経反応が起こりバランスが崩れた時に、様々な不都合な症状が生み出されているのが、「気象病」ではないかと考えられます。

 

私たちは地球の重力場に暮らしており、力学環境の変化に大きな影響を受けています。

外部環境の変化に適応して、私たちの体内環境を調整する必要があります。

私たちの体は神経やホルモン分泌など生化学的な応答によって、コントロールされています。

力学的な環境の変化を感知して、それを生化学的応答に変換するシステム(メカノトランスダクション)が必要となります。

 

重力場の影響、メカノトランスダクションについては、関連記事をご参照ください ↓

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天候など外的要因の変化に対して適応する能力が低下してくると、環境ストレスとして影響を強く受けるようになります。

「気象病」を力学的変化に対するメカノトランスダクションの視点から考察しています。

 

気圧と気象病

「気圧と気象病」メカノセンサーと自律神経反応

 

天候の変化などの環境要因は、私たちの健康と病気に大きな影響を与えています。

天候の変化により、頭痛やその他の慢性的な痛みの悪化、抑うつ症状、倦怠感などを引き起こすことがあります。

気象要因に関連するマイナスの精神的あるいは物理的症状は、「気象病」と呼ばれています。

 

私たちの健康や病気は、動的な外部環境への適応状態の結果でもあります。詳しくは関連記事をご参照ください ↓

「健康と病気」動的な複合適応状態

 

私たちが生きていくために”空気”は欠かせない存在です。

呼吸による空気の循環がなくなれば、瞬く間に私たちの生命は維持することができなくなります。

私たちのまわりの空間は空気で満たされています。

空気もまた他の物質と同じように、地球の重力の影響を受けて引き付けられています。

この空気の重さからくる圧力のことを大気圧と言います。

通常、私たちはほぼ1気圧(1013 hPa )を受け続けていますが、生活の中では気圧をあまり感じることはありません。

 

梅雨時期や台風が近づいてくると、頭痛やめまいを感じたり、体の痛みやだるさがひどくなったりすることがあります。また気管支喘息などの症状を悪化させることがあります。

外気圧の急激な変化に対して、体内環境を適応しようとした結果、不快な症状を感じているのが「気象病」と呼ばれる症状です。

 

低気圧による影響

「気圧と気象病」メカノセンサーと自律神経反応

 

低気圧

まわりと比べて気圧が低い部分のこと。

気圧の中心に風が流れて、上昇気流が発生しれ雲が発生しやすく、天気が崩れます。

上昇気流が起きて、私たちのまわりの空気の量は少なくなります。

 

そのため低気圧になると、外部からの体にかかる圧力は低下します。

この力学的な変化は、ファシアのバイオテンセグリティによって伝達されていきます。

 

ファシアについては、関連記事をご参照ください ↓

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バイオテンセグリティによって血管にかかる圧力も低下して、血管が膨張します。さらに液体ファシア(血液)にも伝達されて、流体力学が変化していきます。

 

液体ファシアについては、関連記事をご参照ください ↓

液体ファシア(liquid fascia)の役割と流体力学

 

血管が膨張すると、血液の静水圧が上昇して、血管透過性が亢進します。

血液中の水分(血漿)が血管の外に押し出されて、細胞間隙に向かって移動して、浮腫が発現します。

ヒスタミンなどの物質が産生されて、頭痛が関節痛といった症状がでる原因になると考えられています。

 

そのため交感神経を活性化して、血圧や心拍数が上昇して調整・適応するようになります。

 

メカノセンサーと自律神経反応

「気圧と気象病」メカノセンサーと自律神経反応

 

私たちの体には、力学的(機械的)情報を感知して、生化学的情報に変換するためのセンサーの役割を果たしているものがあります。メカノセンサーと呼ばれています。

イオンチャネル(イオンなどが透過する開閉式のタンパク質)、細胞骨格のアクチンや微小管(タンパク質)などメカノセンサーは細胞の発生、分化、増殖、疾患など様々な生命現象に関わっています。

 

ウイルス感染とメカノバイオロジーについては、関連記事をご参照ください ↓

ウイルス感染とメカノバイオロジー

 

内耳(ないじ)は耳の奥にあり、いち早く気圧の変化を感じ取って、体内の調整をしようと働く気圧センサー(メカノセンサー)と考えられています。

気圧変化は内耳前庭部で受容された後、自律神経反応を引き起こすことがわかっています。

また最近の研究により、気圧の低下によって前庭神経ニューロンの活性化による交感神経活動の活発化が起こると考えられています。

 

自律神経反応が私たちの意志や行動と一致しなくなると、自律神経失調症と呼ばれる様々な不都合な症状がでてきます。

例えば、これから活動しようとする際に副交感神経が優位に働いてしまうと、めまいやふらつき、倦怠感や抑うつ症状などを感じてしまいます。

休息してゆっくりしている時に、交換神経が優位に働いてしまうと、心拍数が上がって動悸がでたり、不眠症状につながったりします。

 

自律神経の働き・自律神経失調症については、関連記事をご参照ください ↓

「自律神経失調症とは何か?」脳のアイドリングによる脳疲労

 

また環境ストレスに対する、視床下部-下垂体-副腎皮質軸(HPA軸)の調整による交感神経反応(闘争・逃走反応)の症状も考えられます。

HPA軸によるストレス反応の仕組みについては、関連記事をご参照ください ↓

「ストレスとホルモン」副腎疲労症候群とは?

 

バイオテンセグリティによるファシアの力学的な伝達から、メカノトランスダクションにより各組織の細胞や自律神経が調整されて、環境の変化にうまく適応しています。

ファシアの伝達がスムーズに行われなかったり、過剰な自律神経反応が起こりバランスが崩れた時に、様々な不都合な症状が生み出されているのが、「気象病」ではないかと考えられます。

 

まとめ

「気圧と気象病」メカノセンサーと自律神経反応

 

外部環境の要因は、私たちの健康と病気に大きな影響を与えています。

低気圧では上昇気流が起きて、私たちのまわりの空気の量が少なくなり、外部から体にかかる圧力が低下します。

この力学的な変化は、ファシアのバイオテンセグリティによって伝達されます。

 

私たちの体には、力学的(機械的)情報を感知して、生化学的情報に変換するためのセンサーの役割を果たしているものがあります。メカノセンサーと呼ばれています。

内耳(ないじ)は、いち早く気圧の変化を感じ取って、体内の調整をしようと働く気圧センサー(メカノセンサー)と考えられています。

気圧変化は内耳前庭部で受容された後、自律神経反応を引き起こすことがわかっています。

 

バイオテンセグリティによるファシアの力学的な伝達から、メカノトランスダクションにより各組織の細胞や自律神経が調整されて、環境の変化にうまく適応しています。

ファシアの伝達がスムーズに行われなかったり、過剰な自律神経反応が起こりバランスが崩れた時に、様々な不都合な症状が生み出されているのが、「気象病」ではないかと考えられます。

 

「気圧と気象病」メカノセンサーと自律神経反応