【テンセグリティー】ホメオスタシスのかたち

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち

【この記事のまとめ】
私たちの体は、筋骨格から細胞骨格までテンセグリティー構造を応用した、バイオテンセグリティーで成り立っています。

機械論で示されるような細胞、組織、器官が分離した状態ではなく、細胞外マトリックスであるファシアのネットワークによって連続性が生み出され、統一された身体を形成しています。

バイオテンセグリティーは、自律性を持ち、恒常性を維持して、私たち生命の動的平衡を支えています。

テンセグリティーは、私たちのホメオスタシス(恒常性維持)に大きな役割を果たしており、生物のかたちを維持をする上で欠かせない構造といえます。

 

本来、私たちの体は全身が連動して、軽やかに、そして柔軟に動くことができるようになっています。

しかし、年齢を重ねると共に、知らず知らずのうちに、体のどこかに凝りや痛みをかかえ、体が重く動かしにくくなっていきます。

いったいそれは、何が原因なのでしょうか?

 

テンセグリティー(Tensegrity)構造

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち TENSEGRITY より引用

テンセグリティー ホメオスタシスのかたちTENSEGRITY より引用

 

「テンセグリティー」とは、建築家バックミンスター・フラーがつくった造語です。

tentsion (張力)integrity (統合) →  tensegrity(テンセグリティー)

 

テンセグリティーとは、圧縮力と張力(引っ張る力)という相反する力の釣り合いによって、構造が自己安定化する構造システムのことです。

 

私たち生物の体は、このテンセグリティーと似た構造により、柔軟で連続的な動きが可能になっています

機械のようなパーツが組み合わさってできた構造物ではなく、骨を筋膜や筋肉、靭帯などが引っ張り合うことで安定化し、重力に逆らって安定して垂直に立つことができるようになっています。

 

テンセグリティー ホメオスタシスのかたちINTENSION DESIGNS  より引用

 

バイオテンセグリティー

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち

 

テンセグリティー構造は、局所の力学的な圧力に対して、全体的に反応して末端まで荷重を広げることで、圧力を吸収して分散させることができます。

 

柔軟に全身が連動して、バランスをとり続けることができる状態こそが、私たちの本来の姿なのです。

体の一部分が過度に緊張している状態では、張力バランスに偏りが生じて、テンセグリティー本来の柔軟性が失われてしまいます。

 

体のアライメント(骨と関節のつながり)が崩れて歪みを生じ、体の動きにも制限がかかってきます。

体のどこかに凝りや痛みがあって、体が重くて動きにくいということは、このテンセグリティー構造の崩れが原因です。

 

筋膜の張力バランスを整えることにより、体のアライメント(骨と関節のつながり)が修正されて、歪みが改善します。

深層部の筋膜の癒着を剥がして、筋膜の滑走性を高めて張力バランスを改善する手技として、六層連動操法があります。

六層連動操法に関しては、関連ページをご参照ください ↓

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち

 

アラインメントの歪みを、その部位の問題と考えることは、機械論的な思考によるものです。

私たちの体は、テンセグリティー構造のバランスで成り立っている統一された体です。

機械論で歪みのある部位の問題だけを考えるのではなく、全体論として全身のバランスを考え調整することが大切です。

 

機械論については、関連記事をご参照ください ↓

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全体論については、関連記事をご参照ください ↓

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち

 

 

私たちの身体の筋骨格だけでなく細胞骨格までが、このテンセグリティー構造の応用により成り立っていると考えられています。

生物でのテンセグリティーについては、バイオテンセグリティー(Biotensegrity)と呼ばれます。

 

テンセグリティー ホメオスタシスのかたちTENSEGRITY より引用 DNA

 

細胞外マトリックス

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち

 

機械論的に分解してみれば、細胞が集まって組織をつくり、組織が組み合わさって器官をつくり、さらにその器官が組み合わさって、私たちの身体はできています。

細胞と細胞の間、組織と組織の間にある細胞外空間を満たす物質のことを、細胞外マトリックスと呼びます。

細胞外マトリックスについては、関連記事をご参照ください ↓

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1つ1つの細胞や組織が孤立して存在すると、外部の変化に応じて柔軟に状態を変化させ、恒常性を維持し続けることができません。

ホメオスタシスを働かせるためには、連続性をもつネットワークが必要になります。

 

ファシア(Fascia)

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日本語では「筋膜」と訳されますが、筋肉を覆う膜だけではなく、筋肉・骨・内臓・神経・血管などのさまざまな組織を包んで保護する薄い結合組織、組織間を滑走させる結合組織のことです。

 

細胞外マトリックスであるファシアには、骨、内臓器官など身体のあらゆる組織を包みこみ、境界をつくり適正な位置に支持する役割があります。また区画する組織の滑走性を保って、それぞれが独立した運動を行えるようにしています。

 

しかしそれだけではありません。

ファシアは個別に存在するのではなく、全てに連続的なつながりを有する構造をしています

 

ファシアはテンセグリティーにより、連続性を持って張力を体のすみずみの細胞まで伝えることができます。

 

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち

 

細胞は新陳代謝を繰り返して、絶えず入れ替わり続けながら、人体の組織は同じような形状を保ち続けているのは、この細胞外マトリックスであるファシアの役割が重要であると考えられます。

つまり細胞や組織は、この細胞外マトリックスであるファシアにより形づくられているのです。

 

バイオテンセグリティーにより、自律性を持ち、恒常性を維持して、私たち生命の動的平衡を支えています。

 

テンセグリティーは、私たちのホメオスタシスにおいて重要な役割を果たしており、生物のかたちを維持をする上で欠かせない構造といえます。

 

ホメオスタシスや動的平衡については、関連記事をご参照ください ↓

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち

 

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まとめ

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち

 

テンセグリティーとは、建築の分野で用いられた最小の素材により圧縮力と張力の釣り合いによって、構造が自己安定化するシステムのことです。

人体の筋骨格から細胞骨格まで、このテンセグリティー構造の応用がみられ、バイオテンセグリティーと呼ばれています。

 

私たちの体は、骨を筋膜や筋肉、靭帯などが引っ張り合うことで安定化し、重力下でも体勢を変化させて動くことができます。

体のどこかに凝りや痛みがあって、体が重くて動きにくいということは、このテンセグリティー構造の崩れが原因です。

全体論として全身のバランスを考え、筋膜を調整することが大切です。

 

細胞外マトリックスであるファシアは、バイオテンセグリティーにより体の1つ1つの細胞まで連続した張力を伝えるネットワークを形成しています。

常に振動しながら自律性を持ち、恒常性を維持して、私たちの生命の動的平衡を支えています。

 

テンセグリティーは、私たちのホメオスタシスにおいて重要な役割を果たしており、生物のかたちを維持をする上で欠かせない構造といえます。

 

テンセグリティー ホメオスタシスのかたち