「アレルギーと呼吸器疾患」口呼吸・胸式呼吸の改善

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「アレルギーと呼吸器疾患」口呼吸・胸式呼吸の改善

【この記事のまとめ】
花粉症やアレルギー性鼻炎、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などは慢性炎症が原因で起こっています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患もまた慢性炎症が原因となっています。

口呼吸は、アレルギーの原因となる有害物質の体内への侵入が増加して、慢性炎症の悪化につながります。

「鼻呼吸・胸式呼吸」を意識的に訓練することで、症状の改善だけでなく、ミトコンドリアの内呼吸によるエネルギー代謝の改善につながり、酸化ストレスを低下させて、慢性炎症の改善につながっていきます。

気管支喘息やCOPDなどの慢性呼吸疾患は、息を吐くことが困難になって、浅くて速い胸式呼吸になっています。

いきなり苦しくて鼻呼吸が行えない場合には、「口すぼめ呼吸」から訓練して、腹式呼吸を習慣化していきます。

 

花粉症は花粉が原因となってアレルギー反応が起こると考えられていますが、50年前にはほとんど花粉症の人はいませんでした。

つまり花粉が根本原因ではなく、私たちの体内環境(エントロピーの増大)が問題となっているのです。

 

アレルギー疾患と慢性炎症

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花粉症やアレルギー性鼻炎、気管支喘息は、共通した気道におこるアレルギー性疾患であり、類似した病気として考えられます。

鼻腔(上気道)から気管支(下気道)に起こる慢性炎症が原因で起こっています。

 

慢性炎症については、関連記事をご参照ください ↓

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花粉症の場合には、眼のかゆみが起こる場合は、眼の粘膜に炎症があり、鼻水・鼻づまりが起こる場合には、鼻腔に炎症があり、咳など喘息症状が起こる場合には、気管支に炎症があり、皮膚がかゆくなる場合には、皮膚に炎症があります。

花粉が刺激となって症状がでますが、炎症の部位が人それぞれ異なり、それによってでてくる症状が異なっています。

 

ある時期から急に症状が出だして、年々症状がひどくなっていくケースが多くみられます。

「吸い込んだ花粉の閾値を超えるとアレルギー反応がでてくる」と言われたりしますが、そうではなく体内環境(エントロピー)の問題だと考えられます。

 

花粉症はエネルギー代謝が乱れて、体内掃除が滞った状態で体内のエントロピーが増大し、慢性炎症が原因となって引き起こされています。

この慢性炎症が改善しないので、だんだん症状がひどくなっていくケースが多くみられます。

 

体内の掃除と慢性炎症の関係については、関連記事をご参照ください ↓

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エントロピーと慢性炎症の関係については、関連記事をご参照ください ↓

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慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、かつて肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた疾患の総称で、喫煙などで有害物質を長期間にわたって吸い込むことにより、発症すると考えられている生活習慣病です。

肺胞の破壊や気道の炎症が起き、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。多くの場合、歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や、慢性の咳や痰の症状があります。

気管支の慢性炎症から抹消気道の壁が線維化して肥厚による内腔の狭窄が起こり、さらに肺胞で慢性炎症により肺胞の壁が破壊されて、息を吐き出す力が弱くなり、呼吸困難や息切れが生じています。

 

息を吐き出す力が弱くなると、吸う力も弱くなります。そのためより酸素を取り入れようとして、呼吸が速くなってしまいます。

COPD患者のほとんどは、呼吸が浅くて速い「胸式呼吸」を繰り返してしまっています。

 

COPDの肺気腫は肺胞壁が壊れ、そのまま治癒せず全く修復機転ができなくなった状態です。

異なる病名で呼ばれる肺線維症は、やはり慢性炎症により肺胞壁が壊れて、リモデリングにより修復が起こる過程で正常ではなく繊維化が進行した病態です。根本的には慢性炎症が原因となっている点で共通しています。

 

慢性炎症からのリモデリングによる繊維化については、関連記事をご参照ください ↓

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細胞外基質(細胞外マトリックス)ついては、関連記事をご参照ください ↓

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気管支喘息

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気管支喘息も閉塞性肺疾患の一つですが、可逆的な症状であるため、不可逆的に進行していくCOPDとは異なる病態として区別されています。やはり根本原因は気道の慢性炎症が原因で起こっています

気道の炎症により粘膜が腫れて過敏性が上昇して、痰など分泌液が増加しています。

 

呼吸は自律神経の働きによって、息を吸う時は交感神経が優位となり気道を拡張し、息を吐く時は副交感神経が優位となり気道を縮小させて、気管支の気道の太さを調節しています。

息を吐く時に気管支平滑筋が収縮して、気道が狭窄して喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒューの呼吸音)がでます。また息を吐く時に気道が閉塞してしまうと、喘息発作(咳込み)が起こります。

喘息発作は気管支に異常を感じた刺激が、延髄の咳中枢に伝わり、呼吸筋(横隔膜や肋間筋など)に伝達されて、呼吸筋を一気に弛緩させて空気を押し出すことで起こっています。

 

夜間、寝ている時など副交感神経が優位な時に、気管支平滑筋が収縮して、喘息症状がでやすくなってしまいます。

息を吐くことが困難になり、浅くて速い胸式呼吸を行うようになっている方が多く、それがミトコンドリアでの内呼吸によるエネルギー代謝を障害して、慢性炎症の改善ができなくなっています。

 

口呼吸の弊害

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空気中には、大気汚染による有害物質や花粉などのアレルギー物質、細菌やウイルスなど、人体にとっての異物がたくさん存在します。

吸気の入り口である鼻とその奥の鼻腔は、鼻毛や鼻腔粘膜で約7割のチリや細菌が取り除くことができます。

鼻腔粘膜上には静脈が多数存在しており、外気温に応じて収縮、拡張して体温を調節したり、吸気を暖め、湿度を適度に与えたりもしています。

 

本来哺乳類は、鼻呼吸を行っています。人間も赤ちゃんの時は鼻呼吸を行っていますが、離乳期あるいは発話期になると徐々に口呼吸を覚えるようになります。言葉を話すようになった人間は、口を気道として使うことができ、それが口呼吸の習慣を生んでいます。

口で息を吸っていると、汚染された空気が鼻腔というフィルターを通らず、喉の奥に入ってしまい、病気の原因をつくりやすくなります。

口呼吸の習慣が、花粉症やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などのアレルギー疾患や他の様々な疾患の原因になっています。

 

呼吸は、気管や肺などの呼吸器の運動ではなく、呼吸筋と呼ばれる筋肉の運動により行われています。

空気の出し入れ(換気)は主に胸郭(肋間筋)と横隔膜の運動によって行われ、空気が呼吸器の中を流れていきます。

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また口呼吸を行うと、胸式呼吸になりやすくなります。

胸式呼吸・腹式呼吸については、関連記事をご参照ください ↓

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「鼻呼吸・腹式呼吸」と口すぼめ呼吸

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普段、呼吸は無意識で行っており、あまり意識をされない方がほとんどです。

しかし、無意識で行われると同時に、意識的にコントロールが可能な生理機能を併せ持っています。

 

COPDや気管支喘息などの呼吸器疾患や、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、口呼吸による胸式呼吸を改善することが非常に重要となります。

「鼻呼吸・腹式呼吸」を訓練することで症状を改善することができます。

 

鼻呼吸・口呼吸、胸式呼吸・腹式呼吸については、関連記事をご参照ください ↓

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深くゆったりとしたリズムで腹式呼吸を繰り返すと、セロトニンの分泌を促し精神を安定化させることができます。関連記事をご参照ください ↓

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口すぼめ呼吸

息を吐き出しにくいCOPDや気管支喘息などの疾患の場合、いきなり「鼻呼吸・腹式呼吸」の訓練が難しいケースがあり、「口すぼめ呼吸・腹式呼吸」の呼吸法から意識して訓練していきます。

「口すぼめ呼吸」は、鼻から息を吸って、すぼめた口から吐き出す呼吸法です。まずは、吸気1に対して呼気は2~3倍になるように意識しましょう。

口をすぼめて息を吐き出すことで、口の中に圧力がかかって、それが気管支や肺にも波及して、気道の狭窄を防いで息を楽に吐くことができます。

息を吐けるようになると、鼻から息をしっかり吸うことができるようになり、肺の下部の胸部と腹部の間にある横隔膜という筋肉を上下運動させる腹式呼吸によって、ゆっくり大きな呼吸が行えるようになります。

腹式呼吸により横隔膜を動かして、ゆっくり大きな外呼吸が行えるようになると、ミトコンドリアの内呼吸によるエネルギー代謝が改善して、酸化ストレスの抑え、慢性炎症の改善にもつながっていきます。

 

ミトコンドリアの内呼吸・エネルギー代謝については、関連記事をご参照ください ↓

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酸化ストレスについては、関連記事をご参照ください ↓

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呼吸筋の動きを改善する

長年、胸式呼吸を繰り返していると、胸肋関節・肋椎関節の癒着による制限が起こり、胸郭が広がりにくく横隔膜などの呼吸筋が動かしにくくなっています。

胸肋関節・肋椎関節をリリースすることで、横隔膜など呼吸筋の動きも改善して、楽に腹式呼吸が行えるようになります。

 

まとめ

「アレルギーと呼吸器疾患」口呼吸・胸式呼吸の改善

 

花粉症などのアレルギー性の結膜炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などは慢性炎症が原因で起こっています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患もまた慢性炎症が原因となっています。

口呼吸は、アレルギーの原因となる有害物質の体内への侵入が増加して、慢性炎症の悪化につながります。

 

「鼻呼吸・胸式呼吸」を意識的に訓練することで、症状の改善だけでなく、ミトコンドリアの内呼吸によるエネルギー代謝の改善につながり、酸化ストレスを低下させて、慢性炎症の改善につながっていきます。

 

気管支喘息やCOPDなどの慢性呼吸疾患は、息を吐くことが困難になって、浅くて速い胸式呼吸になっています。

いきなり苦しくて鼻呼吸が行えない場合には、鼻から息を吸って、口をすぼめて息を吐く「口すぼめ呼吸」から訓練して、腹式呼吸を習慣化していきます。

無意識で楽に腹式呼吸を行うためには、胸郭の制限をはずして、横隔膜など呼吸筋の動きをよくすることも大切です。

 

「アレルギーと呼吸器疾患」口呼吸・胸式呼吸の改善