「つながりの呼吸」自律神経を整える

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【この記事のまとめ】
呼吸とは、空気を吸う、吐くという呼吸運動だけなく、エネルギーをつくるために細胞の1つ1つが酸素を取り込み、二酸化炭素を排出して、生命活動を維持しているシステムです。

呼吸は大きく外呼吸と内呼吸に分けられます。細胞レベルの呼吸である内呼吸まで意識することが非常に重要です。

呼吸筋は呼吸中枢と大脳皮質からの神経支配を受けており、この神経支配の構造が2つの呼吸調節を可能にしています。

そのため呼吸は自律神経との関係性が深く、呼吸法によって意識的に自律神経を調整することができます。

呼吸とは息吹(いぶき)であり、「息をする」ことは生命の証です。

人はオギャーと産声をあげて、肺に空気が入って呼吸が始まり、最後は「息を引き取り」死んでいきます。

 

呼吸は、酸素を取り入れ二酸化炭炭素を吐き出すというガス交換だけでなく、エネルギー代謝をまわして、生命を維持するために欠かせないものです。

1日、2日食事をしなくても生きていけますが、息はほんの数分程度しか止めることができません。

 

普段、私たちは無意識に息を吸ったり、吐いたり、止めたりしています。

当たり前すぎて、呼吸というものにあまり意識を向けませんが、実は健康を考えるうえで非常に大切なものです。

外部の空気とのつながりが途絶えてしまうと、私たちは生命維持ができないのです。

 

また呼吸は自律神経との関係性が深く、意識的に自律神経を調整できる唯一の方法が呼吸法です。

自律神経の失調など、原因不明の病気でお悩みの方は、まずは呼吸について見直してみるべきではないでしょうか?

原因不明の不調については、関連記事をご参照ください ↓

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呼吸とは

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私たちは細胞の活動に必要なエネルギーをつくり出すために、たえず酸素を体内に取り込んで全身の細胞に供給し、代謝によって生じた二酸化炭素を排出しています。

つまり呼吸とは、空気を吸う、吐くという呼吸運動だけなく、エネルギーをつくるために細胞の1つ1つが酸素を取り込み、二酸化炭素を排出し、生命活動を維持している仕組みと言うことができます。

呼吸は大きく外呼吸と内呼吸に分けられます。

 

外呼吸

肺胞と血液の間で行われる酸素と二酸化炭素のガス交換

外呼吸とは、吸う吐くという運動によって、空気中の酸素を肺に送り込み、二酸化炭素を空気中に排出することです。

肺胞に送られた空気中の酸素が肺胞から血液中に吸収され、反対に全身の組織や細胞から血液によって運ばれてきた二酸化炭素が肺胞内に排出されます。

 

内呼吸

血液と組織や細胞との間で行われるガス交換(細胞レベルでのガス交換)

外呼吸によって肺から血液中に取り込まれた酸素は、全身に運ばれ、組織や細胞と接している場所で血液中から放出され、反対に組織や細胞内で生じた二酸化炭素は血液中に吸収され、血管を介して肺へと運ばれます。

 

一般的に呼吸と言えば、外呼吸にかかわる運動や機能のことを言っていますが、エネルギー産生という点から見れば、細胞レベルでの呼吸、すなわち内呼吸が主体であると考えられます。

 

細胞内小器官であるミトコンドリアによる酸化的リン酸化作用により、TCAサイクルが回転しエネルギー代謝が行われます。

ミトコンドリアでの内呼吸によるエネルギー代謝については、関連記事をご参照ください ↓

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内呼吸と酸化ストレスについては、関連記事をご参照ください ↓

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このエネルギーを使って、細胞の新陳代謝が行われて、私たちの恒常性が維持されています。

ホメオスタシス(恒常性維持)については、関連記事をご参照ください ↓

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呼吸器系の働き

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肺に入る空気は、まず鼻(鼻腔)や口(口腔)を通り、口の後方にあたる咽頭、その奥の喉頭、さらに気管を経て、気管支で左右に分かれて肺に送り込まれます。

呼吸器は空気を通す気道として重要な働きをしていますが、肺を含むこれらの呼吸器には自ら収縮したり拡張したりする能力がありません。

空気の出し入れ(換気)は主に胸郭と横隔膜の運動によって行われ、空気が呼吸器の中を流れていきます。

つまり呼吸器を駆動するのは、筋肉系のシステムによるものです。

 

鼻呼吸と口呼吸

気道は、喉頭より上の部分は上気道と呼ばれ、それ以下の気管や気管支の部分は下気道と呼ばれます。

上気道を形成している呼吸器は、まずは吸気の入り口である鼻とその奥の鼻腔からなり、鼻毛や鼻腔粘膜で約7割のチリや細菌が取り除かれます。鼻腔粘膜上には静脈が多数存在しており、外気温に応じて収縮、拡張して体温を調節したり、吸気を暖め、湿度を適度に与えたりするのに役立っています。

 

本来哺乳動物は、鼻呼吸を行っています。人間も赤ちゃんの時は鼻呼吸を行っていますが、離乳期あるいは発話期になると徐々に口呼吸を覚えるようになります。

鼻呼吸が習慣化される前に離乳期をむかえると、口呼吸になってしまう場合が多くなります。

 口呼吸では、吸い込んだ空気が浄化されないまま、のどや肺を直撃し、のどを乾燥させたり冷やしたりします。また病原菌の付着も起こるため、病気の原因をつくりやすくなります。

 

呼吸運動(呼息と吸息)の仕組み

肺は胸郭で密閉された空間(胸腔)の中に収まっており、肺の内側は気道によって外界とつながっています。

胸郭を囲む筋肉(呼吸筋)の働きによって、胸郭の大きさを広げると胸腔内の圧力が肺胞内の圧力よりも低くなります。その結果、空気が気道を通って肺内に入り、肺胞を膨らませます。

反対に胸郭が小さくなった時は、胸腔内圧が高くなり、肺胞内の空気が外に押し出されます。

つまり肺の運動は、呼吸筋が胸腔の容積を変えることによって受動的に行われているのです。

 

吸息時 

胸腔容積の変化は、主に横隔膜と外肋間筋の収縮によって起こります。

(腹式呼吸)横隔膜は胸郭の底面にドーム状についている筋肉で、これが収縮するときドームの形は平坦化しながら下降するので胸腔は広くなり、お腹がふくらむようになります。      

(胸式呼吸)外肋間筋が収縮する場合には、肋骨と胸骨が脊柱に対して斜め上へ動くので、胸郭が引き上げられ、結果として胸腔が広がることになります。     

 

呼息時

吸息時に収縮した横隔膜や外肋間筋が弛緩することによって、吸息時の胸腔容積変化は起こります。

外肋間筋が弛緩すると、胸郭は重力の作用によって自然に下降し、横隔膜はその弾性により平坦な状態からドーム状に戻ります。その結果、胸腔の容積はもとの大きさに戻ります。

吸息では横隔膜や外肋間筋などの呼吸筋が活躍しているのに対し、呼息では特別な筋活動がなくても、吸息が終わればそのあとに自然と肺のなかの空気が外に出ていく仕組みになっています。

 

呼吸の調整

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私たちには意識しなくても呼吸運動が自動的に行われる仕組みが備わっています。

つまり普段は無意識で行っていることが多く、それが呼吸というものを私たちがあまり意識しない原因です。

しかし無意識で行われると同時に、意識的にコントロールが可能な生理機能を併せ持っています。

 

呼吸中枢では大脳の命令なしに、自律神経の働きによって無意識的に呼吸のリズムをつくっています。

呼吸運動を行う主役の呼吸筋(横隔膜や肋間筋)は、動かそうと思ったときに自分の意志で動かすことができる随意筋です。

呼吸筋は呼吸中枢と大脳皮質からの神経支配を受けており、この神経支配の構造が2つの呼吸調節を可能にしています。

 

呼吸中枢 ・・・ 自律的な呼吸(無意識的)

大脳皮質 ・・・ 随意的な呼吸(意識的)

 

胸式呼吸

比較的浅い呼吸なので肺への空気の量も少なく、すべての肺胞に空気を十分に送り込むことができません。意識的に呼吸を行う場合や緊張しているときには、どちらかと言えば胸式呼吸になりがちです。

また胸式呼吸は交感神経を刺激し、精神的な興奮を起こすと言われています。

しっかり内呼吸(細胞呼吸)まで行われず、細胞レベルでは嫌気的な解糖系でのエネルギー産生となります。

 

腹式呼吸 

重力によって圧迫されがちな肺の下部にある肺胞にも空気が送り込まれ、ガス交換が活発になります。

横隔膜の上下運動により腹腔内の臓器が刺激され、蠕動運動や血液循環が盛んになります。さらに深い呼吸を続けることで、副交感神経の活動が高まり、心身のリラックス効果が得られます。

内呼吸(細胞呼吸)が行われ、ミトコンドリアによる酸化的リン酸化作用により、TCAサイクルが回転しエネルギー産生が行われます。

 

アレルギー疾患や呼吸器疾患の改善には、「鼻呼吸・腹式呼吸」の訓練が非常に有効です。関連記事をご参照ください ↓

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深くゆっくりとしたリズムで腹式呼吸を繰り返すことで、セロトニン神経を活性化して、ストレス反応を抑えることができます。

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全集中「つながりの呼吸」

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基本的に自律神経は自律という名前の通り、勝手に働き機能を調節してくれる神経ですが、唯一意識的に自律神経を調整する方法があります。

それが呼吸法です。

 

自律神経が乱れている方に共通しているのは、無意識の呼吸が浅く小さな呼吸が続いてしまい、交感神経の働いている状態が続いてしまうことです。

 

胸肋関節や肋椎関節の癒着により、胸郭が広がりにくく、呼吸筋(横隔膜や肋間筋)の動きが悪くなっています。

六層連動操法により、胸肋関節・肋椎関節の癒着をとり、胸郭の動きを改善して呼吸筋の動きをよくし、浅く小さな呼吸を改善することができます。

 

六層連動操法については、関連ページをご参照ください ↓

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自律神経については、関連記事をご参照ください ↓

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つながりの呼吸瞑想法

腹式呼吸法により、意識的に深い呼吸を続けていると、副交感神経のスイッチが入っていきます。

下腹部の筋肉を意識的に収縮させてゆっくり吐く能動的な呼気から始まり、吐ききったところで腹筋の力を抜き、自然に吸気に変わるようにします。

吐く息に意識をおいて、静かに吐く息とともに全身の力を抜いて、外部の空気に自分を溶け込ませていきます。

十分吐ききったら、自然に意識しなくても吸気がたくさん入ってきます。

呼吸筋の動きによる張力は、体のすみずみの細胞までファシアによって伝わっていきます。

 

ファシアについては、関連記事をご参照ください ↓

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副交感神経が刺激されて抹消の血流がよくなり、体のすみずみまで温かくなっていきます。

全身の1つ1つの細胞で、内呼吸(細胞レベルの呼吸)が行われているのを感じてください。

 

呼吸によって、全身のすべての細胞がつながっていること、そして外部の世界とつながっていることが感じられます。

内呼吸(細胞レベルの呼吸)を行うことが、私たちの生命活動にはとても重要であり、私たちのホメオスタシス(恒常性維持)に欠かせないものです。

 

まとめ

つながりの呼吸 自律神経を整える

 

普段、私たちは自律神経の働きによって、無意識に息を吸ったり、吐いたり、止めたりしています。

当たり前すぎて、呼吸というものにあまり意識を向けませんが、実は健康を考えるうえで非常に大切なものです。

 

呼吸とは、空気を吸う、吐くという呼吸運動だけなく、エネルギーをつくるために細胞の1つ1つが酸素を取り込み、二酸化炭素を排出し、生命活動を維持しているシステムです。

細胞レベルの呼吸である、内呼吸まで意識することが非常に大切です。

 

呼吸筋は呼吸中枢と大脳皮質からの神経支配を受けており、この神経支配の構造が2つの呼吸調節を可能にしています。

そのため呼吸は自律神経との関係性が深く、意識的に自律神経を調整できる唯一の方法が呼吸法です。

 

深い腹式呼吸を意識的に行うことにより、全身の1つ1つの細胞を活性化させて、全身のつながりを感じることができます。

 

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