「発熱の症状とは?」ホメオスタシスをサポートする 

「発熱の症状とは?」ホメオスタシスをサポートする「発熱の症状とは?」ホメオスタシスをサポートする

【この記事のまとめ】
感染症における「発熱」の症状は、生体防御機能を高める目的でホメオスタシスにより自己調整された必要な症状です。

機械論的に解熱剤で体温を下げることは、人体の免疫機能を低下させる行為であり、かえって重篤な症状を引き起こす原因となります。

最適な治療というものは、ホメオスタシスによる自己調整を後押しするような治療です。

 

風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症における代表的な症状に、「発熱」の症状があります。

ホメオスタシス(恒常性維持)の観点から考えた場合に、「発熱」の症状にはどういう意味があるのでしょうか?

 

「発熱」の症状に対して、機械論的にアセトアミノフェンなどの解熱剤が投与されますが、本当に体にとって有益な治療といえるのでしょうか?

ホメオスタシスによる自己調整をサポートするには、どうしたらいいのでしょうか?

 

ホメオスタシスの働き

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病気の症状を身体の異常(エラー)であると考えるのは、機械論的な思考によるものです。

病気の症状とは、ホメオスタシスにより調整された過程で生じた一部の症状の現れです。

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病気、治癒そして健康というのは、どれも一連の変化の過程でしかありません。

なかなか症状が治り元の状態に戻らない場合には、ホメオスタシスにより元の状態とは違う平衡状態が保たれていることになります。

 

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最も自然な治療法とは、ホメオスタシスの調整過程を補助するアプローチであると考えられます。

しかし、現代西洋医学で行われている薬物療法では、発熱した症状に対して解熱剤を投与します。

これは対症療法であり、でてきた症状に対して反対のベクトルを持つ作用により症状を抑える治療を行います。

辛い症状を緩和する効果はありますが、発熱して体温を上昇しているホメオスタシスの働きを阻害してしまいます。

 

発熱のメカニズム

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かぜ症候群など感染症にかかると発熱しますが、これはウイルスなどの外敵を排除するために体に備わった自然な働きであり、ホメオスタシスによるものです。

 

ウイルスなどの外敵が体内に侵入すると、マクロファージや好中球などの免疫細胞が迎え撃つために、パイロジェン(発熱物質)として働くインターロイキンなどのサイトカインが放出されます。

 

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サイトカインにより、プロスタグランジンが産生され、視床下部の体温調節中枢に作用します。

それによって体温セットポイントを上昇することで、体の各部に熱産生を高める(熱の放散をブロックする)指令がだされます。

体温を上げることには、ウイルスの増殖を抑制し、白血球の働きを活発にして、生体防御機能を高める目的があります。

しかしながら、過剰な体温上昇による高体温状態が続くと、体力が消耗しそれに耐えれなくなり生命維持できない場合もあります。そのため西洋医学では、解熱剤が頻繁に投与されるようになりました。

 

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中医学的な発熱への対処

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中医学的に考えると、発熱などの表証は、邪(風・寒・湿・熱・暑・燥)を感受したときの初期の症状であり、感染症や環境の物理的変動による体内環境の変化に伴う症状と考えられます。

かぜ症候群の病態は、突然発症することから風邪(ふうじゃ)が関与すると考えられ、風寒・風熱・風湿・風燥に区別されます。

 

「表寒」とは、ウイルスや細菌などが侵入したときに発生するパイロジェンにより体温セットポイントが上昇し、熱産生反射が働いた状態です。

熱産生を高めるために筋肉の緊張やふるえが生じ、熱の放散をブロックするために末梢血管収縮し、とり肌(立毛)、汗腺の閉塞が生じ、「悪寒」の症状が現れます。

ゾクゾクする」寒気の症状が起こるメカニズムがこれです。

抹消小動脈の収縮に遅れて静脈拡張が起こり、毛細血管の透過性亢進により、鼻水やうすい痰の症状が生じてきます。

 

「表熱」とは、炎症傾向が強い場合にみられ、パイロジェンによる体温セットポイント上昇よりも早くに炎症性の体温上昇が生じるために、熱産生反射がみられず、悪寒の症状を訴えることが少なくなります。熱感・高熱を伴い、炎症による喉痛・黄痰・咳などの症状が現れます。

 

かぜ症候群では、初期に「表寒」を示して、それから「表熱」に移行する場合が多くみられます。

 

かぜ症候群で用いられる漢方薬

麻黄湯

表寒・表実に用いる方剤です。

悪寒がひどく、無汗で、とり肌がある症状に対して、辛温解表の麻黄・桂皮の配合により、体を温めて発汗させて解熱させます。

 

葛根湯

表寒・表実で項背部のこわばりがある場合に用いる方剤です。

辛温解表の麻黄・桂皮に加えて、辛涼解表の葛根の配合があり、表寒と表熱の移行型の症状にも用いることができるため適用範囲が広い方剤です。また葛根は生津・活血作用があり、津液の減少や血管収縮により生じた筋肉のこわばりを改善する効果があります。基本的には体を温めて発汗させて解熱させます。

 

銀翹散

表熱に用いる代表的な方剤です。一般的には発熱・熱感・喉痛・頭痛など、炎症傾向が強い感染症に用いられます。

辛温解表の荊芥に加え、辛涼解表の薄荷・淡豆鼓・牛蒡子・金銀花・連翹の配合が多く、発汗と同時に消炎作用により解熱させます。

 

日本における漢方かぜ薬は、葛根湯が有名です。表寒あるいは表寒から表熱への移行期に効果を示すものであり、表熱に完全に移行してしまった場合には適用ではありません。

それがかぜの初期症状に葛根湯が用いられる理由であり、表寒の発熱に対して体を温めて発汗を促すことで解熱に導いています。

ホメオスタシスにより体が起こした発熱に対して、そのベクトルを阻害することなく、体を温めることにより発汗して解熱に導いています。

 

ホメオパシー(Homeopathy)

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ホメオパシーはヨーロッパ諸国、キューバやメキシコなど中南米、インド、南アフリカなど、世界の80カ国以上で利用されているCAM(補完代替医療)です。

 

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ホメオパシー(Homeopathy)は、Homeo(類似した)+Pathy(苦しみ)という造語で、「似た苦しみ」という意味があります。

 

ホメオパシーには2つの基本原則があります。

①類似療法と呼ばれ、その原理は「類似の法則」つまり「類が類を治す」という考え方です。

ある物質が健康な人に引き起こす症状と類似の症状を示している病気の人に対して、その物質が治療に使われるという原則です。

②微量の法則と呼ばれ、最小限で効果的な投薬を行うことにあり、ホメオパシー薬(レメディ)を作る過程で段階的な希釈と振盪が行われています。

現在レメディはでは3000種類以上あり、植物、そのほか動物や鉱物などからつくられます。欧州など医薬品として許可されている国もあれば、日本のように医薬品として許可されておらず、規制がまったくない国もあります。

 

ホメオパシーでは、病気の症状はホメオスタシスによる自己調整反応であり、この自己調整反応と類似した症状を起こす薬を処方することにより、自己調整反応を後押ししようとしています。

発熱が身体が病気を追い払うために起こした症状であるなら、発熱を引き起こす作用のレメディで外部から支援して治癒につなげようとするものです。

つまり身体の持つ自己調整システムを刺激して、自己治癒をサポートする形で治療が行われています。

 

まとめ

「発熱の症状とは?」ホメオスタシスをサポートする

 

「発熱」の症状には、ウイルスの増殖を抑制し、白血球の働きを活発にして、生体防御機能を高める目的があります。

「発熱」の症状は体の異常ではなく、ホメオスタシスによる自己調整過程で生じた症状であり、必要があって起こっています。

 

むやみに解熱剤で体温を下げることは、人体の免疫機能を低下させる行為であり、かえって重篤な症状を引き起こす原因となります。

解熱剤の使用は必要最小限に控えるべきです。ワクチン接種の副反応防止のために、解熱剤を予防的に投与することは大きな誤りだと考えます。

最適な治療というものは、ホメオスタシスによる自己調整を後押しするような治療です。

 

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